マレーシアではイスラム教徒のムスリムと一緒に働く貴重な経験ができました。
イスラム教徒は「豚肉禁止」「アルコールNG」などはご存知の方も多いと思いますが、それ以外にも気をつけなければならないルールがいくつかあります。
今回のブログでは、マレーシアでムスリムの同僚と一緒に働いていた際に気を付けていた注意点をご紹介したいと思います。
お祈りの時間は尊重しよう!
イスラム教徒にとっては仕事中・勤務時間中であっても、お祈りの時間を取ることが普通です。
マレーシアで働いていた際は、職場やショッピングモールなど、割とどこでもお祈りするための部屋があることが普通でした。
そのぐらい彼らにとって、お祈りは日常の1部です。
お祈りの時間は最大限尊重しましょう!
異性の同僚とは2人きりにならないように注意!
イスラム教徒は貞操観念が厳しく、男女が密室で2人きりになるのはNGという考え方をしている人が多いです。
これは仕事の同僚や上司・部下であっても例外ではなく、1on1の面談などの際には注意が必要です。
必ずドアを開けておき「二人きり」にならないように注意しましょう。
※マレーシア人の男性上席者と私でやり取りする際、彼は広めの密室感がない会議室を選ぶか、狭い会議室の場合、ドアを開けてくれていました。
余談ですが、バイクに追突される交通事故にあった際、警察署で事情聴取を受けることになったのですが、その際にいわゆる取調室のようなところで警察官と2人きりになった際、私には婦警さんがアサインされました。
「男女2人きりはNG」というのは公的機関でも配慮してくれるのだな、と思ったのと同時におそらくムスリム達にとってはそれぐらい当たり前に気をつけるべきことなのだなと思ったので、改めて気をつけようと思った出来事でもありました。
自分も豚肉NG?!ランチに注意!
冒頭でも触れた通り、ムスリムが豚肉NGなのは周知の事実かと思いますが、本人たちが食べなければ良いという単純な問題に留まらないのが困ったところです。
このムスリムの豚肉問題については、全然気にせず食べている人もいれば、「ぜっっったいにNG」という人もおり、正直なところ個々人や家の考え方によるブレ幅がかなり大きい問題でもあります。
しかし、職場の共有の食事スペースや食事会など大人数が集まる場面では、基本的にかなりデリケートな問題として気を付けておく方が無難です。
職場ランチでは「豚肉を食べない」ことをオススメします。
豚肉を近くで食べている人がいて、豚肉の臭いが漂ってくるだけでも宗教的にNGと感じる人がいますし、共有の電子レンジで豚肉が入ったお弁当などを温めるのはKYな行動となるからです。
※私のマレーシアの職場の電子レンジには「豚肉を温めないで」という貼り紙もありました。
ムスリムと食事をする際は、単に相手が食べなければ良いという問題ではなく、基本的に自分も食べないというスタンスでいた方が無難でしょう。
(もちろん、全員が厳格!というわけではありませんし、仲良くなってくれば「あなたが食べるのは気にしないよ!」という人もいますし「実は私食べるんだよね・・・」とカミングアウトする人もいたりと、徐々に緩い部分も見えてくるかと思いますので、あまり怖がりすぎないでくださいね!)
ちなみに、マレーシアやインドネシアなどでは、イスラム教徒だけでなく中華系の華僑やインド系のヒンドゥー教徒も職場に一定数いる場合があると思います。
華僑は熱心な仏教徒である場合があり、彼らの中には牛肉を食べない人がいるので、注意が必要です。また、ヒンドゥー教では牛は神聖な生き物とされていますので、彼らは豚肉だけでなく牛肉も食べません。(ヒンドゥー教徒は肉食全般を良しとしないケースも少なくなく、ベジタリアンである場合も少なくないです。)
結論、基本的にチキンを選べば無難です!笑(ベジタリアンの場合はどうしようもないですが・・・)
駐在員や現地採用で赴任したばかりで現地のルールがよく分からない場合は、基本的にランチや会食は鶏肉を選んでおけば問題ないので、とにもかくにも、チキン!を選ぶようにしましょう。笑
お祈りの時間は尊重しよう!金曜日はほぼ休み?
イスラム教徒にとって、金曜日は特別な曜日で男性は金曜日の正午はモスク(礼拝所)に集まってお祈りをしなければならない日とされています。
ですので、ムスリムの多い職場では金曜日の11時くらいからみんなそわそわしだます。笑
また、お祈りに行くと15時くらいまで戻ってこない場合が多いので、金曜日の午後はもはやお休み?!状態になります。笑
※ちなみに女性のムスリムもなぜか金曜午後はお休み?状態になリます笑。
私はマレーシア勤務時は「週末は木曜日」と思いながら急な依頼は全て木曜日中に済ませるようにしていました。笑
また、金曜日のお昼付近の時間帯は道路が非常に混雑します。(みんな礼拝所を目掛けて移動するためです。)
営業職などで外出が必要な仕事の場合、金曜日にアポを入れるのは避けるのが無難でしょう.
約1ヶ月間の断食!ラマダン中も配慮!
イスラム教といえば、1ヶ月間にわたる断食のラマダンが有名ですよね。
1ヶ月も食べないってどういうこと?死なないの?とか疑問に感じている人も少なくないと思いますが、ラマダンで禁じられているのは日中のみ(日が昇っている間のみ)の断食です。
日が落ちた後の夜間は飲み放題・食べ放題なので、逆に夜に食べ過ぎてラマダン期間中に太ってしまう人も少なくないのだとか。
しかし、いずれにしてもラマダン期間中の約1ヶ月間の日中の絶飲食は、苦行であり、ちょっとした配慮が必要になります。
例えばラマダン期間中は「オフィスで美味しそうな匂いのする食べ物を食べない」「お菓子を控える」といったところでしょうか。
こうした宗教的な習慣には、なかなか日本人には馴染みがないので難しく感じる人がいるかもしれませんが、相手を思いやる気持ち・相手の文化を尊重する姿勢で臨めば問題ないので、構え過ぎないようにしましょう!
まとめ:相手の文化を尊重する気持ちが大切!
日本人のほとんどは、宗教をあまり意識せずに生活していると思いますので、ご紹介したような日常と宗教が密接に結びつく環境には、戸惑いを感じる人もいるかもしれません。
しかし、基本的には人間関係作りのベース「相手の考えを尊重する、理解を示す」といったところに帰結するのではないかと思っています。
相手側の宗教上のルールを知らなくて、知らず知らずの間に失礼をしてしまうのでは?と不安になる人もいるかもしれませんが、相手も同じ人間なので、普段から「相手を尊重しよう、理解しよう」という姿勢を示していれば、「知らなかったんだな」と受け流してくれるはずです。
平たく言うと、「異文化理解」といったところになりますが、海外に実際に身をおき、「異文化に理解を示すこと」を実践することで自分自身も大きく成長できたなと感じています。
あまり難しく考えずに、楽しく異文化オフィスライフを過ごしていただければと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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